連載3:「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトから学び、変革したこと」

2016/12/20

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放牧酪農家さんの改革報告 その③

「濃厚飼料給餌量は7.6kgから2.8kgへ」

各牧区に水槽を設けたり、牧道も自主施工で整備したり、一応教科書どおりになるように農場整備も行いました。
プロジェクトで受けた指摘が多すぎて、半信半疑ではありましたが、1年目、少し改善し、数字が少しよくなりました。
2年目、もう少し改善すると、さらに数字がよくなりました。そして、3年目、こうなったら言われたことをできるだけ全部やってやろう!、と。
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濃厚飼料は1頭あたり7.6kg/1日与えていた初年度から、3年目には2.8kg/1日まで減らすことができました。
1日に得られる牧草量を把握できたことで、牛の要求量を満たすために必要な補助飼料の量を割り出すことができます。
自給飼料からの乳生産高は、949kg/頭・年から4,644kg/頭・年へと大幅に上げることができました!

 放牧圧を高めたことにより、予備として兼用地にしてあった牧区の草はほとんど余ることになり、それらはすべてサイレージへ回しました。過去、乳房炎で捨てていた乳も、いまではほとんどありません。
すべてがいい方向へ転換し、経営状況も改善され、現在、年間利益はおよそ300万円増える予想となっています。

 多くの方に、このプロジェクトの指摘や結果をお伝えし、それを知ったその日から、自分にできるところからの改善をぜひおすすめしたいです。

最終的には今回のグラスファーミングスクールのタイトルでもある「儲かる放牧酪農経営」を一緒に目指しましょう!

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