子牛が濃厚飼料を食べない原因と対策|健康な胃づくりが成長のポイント

子牛が濃厚飼料をスムーズに食べてくれないと、離乳が遅れるだけでなく、その後の成長や健康状態にも大きな影響を及ぼします。


本記事では、子牛が濃厚飼料を食べない主な原因や基礎的な事項、現場ですぐに実践できる改善ポイントを解説します。
また、効率と健康を両立させる「ニュージーランド流」の先進的な哺育技術も併せてご紹介します。

この記事を読んで、子牛の成長を改善するためのヒントを見つけてください。


1. 子牛が濃厚飼料を食べない主な原因とは?




個体差や環境はありつつも、子牛が餌を食べないのには必ず理由があります。まずは以下の3つの視点からチェックしてみましょう。

1-1. 味や嗜好性の問題

子牛は非常にデリケートです。
飼料の味、粒の形状、匂いが好みでない場合、それだけで食いつきが悪くなります。特に鮮度が落ちた飼料は敬遠される傾向にあります。

1-2.ルーメン(第一胃)が未発達

生まれたばかりの子牛のルーメンはまだ未発達です。
消化の仕組みが整っていない段階で無理に濃厚飼料を与えても、本能的に受け入れないことがあります。「食べる準備」を整えてあげることが先決です。

1-3.体調不良やストレス

下痢、呼吸器疾患、ストレスは、真っ先に食欲減退として現れます。摂食不振は「体調不良のサイン」と捉え、日々の観察を徹底することが重要です。


2. 食べてもらうための基本対策

まずは「食べるきっかけ」を作り、習慣化させるためのアプローチをご紹介します。


2-1.早期からスターター飼料に慣れさせる

生後3日目頃から、ごく少量を毎日新鮮な状態で与え始めるのがポイントです。
最初は口に含ませる程度でも構いません。「これは食べ物だ」と認識させるまで根気よく続けることで、空腹時に自発的に口にするようになります。

2-2.飼料の嗜好性を高める工夫

糖蜜を添加して甘みと香りをつけたり、子牛が食べやすい「ペレット形状」や「圧ぺん穀物」を選択したりするのも有効です。また、常に新しいたっぷりの水が飲める環境を整えることで、摂取量の向上が期待できます。


2-3.「真似る力」を利用する

子牛には仲間を真似る習性があります。
すでに餌をよく食べている個体と一緒に給餌する(ペア飼育やグループ飼育)ことで、周囲に触発されて食いつきが良くなる効果が期待できます。


3. 人手をかけずに効率重視。ニュージーランドの哺育技術

世界的な放牧先進国であるニュージーランドの技術は、日本の酪農現場でも非常に参考になります。


3-1.なぜニュージーランドの技術が注目されるのか?

限られた人手で大量の子牛を健康に育てるため、彼らは「人手をかけない効率的な哺育管理」を確立しています。

3-2.自然な飲ませ方「ピーチティート」

ニュージーランドで広く普及している「ピーチティート」は、特殊な構造の乳首です。


誤嚥防止: 内部に逆止弁があり、ミルクが出る穴が工夫されているため、一気飲みによる誤嚥を防ぎます。
唾液の分泌: 牛が「噛む」ことでミルクが出る仕組みのため、咀嚼が促されて唾液が大量に分泌されます。唾液とよく混ざりあうことで、消化不良による下痢のリスクを低減します。


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3-3. 胃を鍛える「ファイバースタート・ファイバーゲイン」

「牛づくりは胃袋づくり」と言われるように、早い段階でルーメンを発達させることが鍵となります。

ファイバースタート: アルファルファを主体とした高栄養な発酵繊維です。これを早期に与えることでルーメンの絨毛(じゅうもう)発達を促します。
メリット: 濃厚飼料だけに頼らず、繊維質を上手に取り入れることで、離乳後の放牧や粗飼料への移行がスムーズになり、将来的に「草をたくさん食べられる健康な牛」へと成長します。


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まとめ




子牛が濃厚飼料を食べない原因は、嗜好性、身体の発達段階、健康状態など様々です。

「食べさせる」ことに固執するだけでなく、ピーチティートでの哺乳やファイバー系飼料によるルーメン育成といった「体づくり」の面から改善できることもあるでしょう。

子牛の生理に合った管理で手間を減らしつつ、より健康で力強い成長実現を、ファームエイジがお手伝いできればと思います。


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