【飼料高騰に負けない】放牧でコスト削減+持続可能なスタイルへ
昨今の飼料高騰に伴い、多くの農家さんがご自身の経営について、見直しを図っていらっしゃいます。
その一環で、弊社にも「放牧を始めたい、検討してみたい」「畜飼から転換したいが、どんな風にやればいいか分からない」「知識がない」
といったご相談をいただくケースが増えています。
この記事では、
・飼料に関する基礎知識と高騰の背景
・放牧を始める前に 何をすればよい?
・放牧成功のための資料
についてご紹介します。
後半では、実際に放牧酪農で成功している農家さんの情報をまとめた資料や、放牧を成功させるためのノウハウ情報についても
ご案内致します。
目次
1.飼料とは
牛や羊などの家畜が食べる餌をさします。飼料は大きく2つにわけることができます。1-1.粗飼料(そしりょう)とは
草や草から作られた餌のこと。生草、サイレージ、乾草など を指します。
放牧を行っている方は、サイレージにする草と分けて「放牧草」や「青草」と呼ばれることもあります。
繊維質が豊富で、硬くて消化に時間がかかります。
そのため、牛の第1胃であるルーメンが鍛えられ、消化・吸収の機能が向上します。
1-2.濃厚飼料(のうこうしりょう)とは
トウモロコシ、ぬか類、大豆や大豆粕(かす)などを混ぜ合わせた混合飼料で、粗飼料に比べて炭水化物やタンパク質含量が高く、栄養価が高いものです。穀物飼料とも呼ばれます。
濃厚飼料はタンパク質が豊富で、エネルギーを補う上でも、大切な餌の一種になります。
2.なぜ? 飼料が高騰している原因は?
主にコストが増大しているのが濃厚飼料です。濃厚飼料の多くは輸入に頼っており、日本国内での自給率が低いことが、しばしば話題に上がります。
価格高騰の理由は様々ですが、主な理由としては以下が挙げられます。
- ・飼料を作るための原材料(トウモロコシなどの穀物)の高騰
- ・原油やガソリンなどの高騰
- ・国際情勢に伴う円安などの影響 ・・・など
3.コスト削減のカギは、牧草など「粗飼料」の活用
日本の飼料自給率は25%(令和元年度)となっており、農水省によると、「牧草などの粗飼料は国産が77%を占める一方で、とうもろこしなどの濃厚飼料では国産が12%にとどまります。」とあります。
(参考・引用:お肉の自給率 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/ohanasi01/01-04.html)
こうした課題解決の手段として、輸入穀物に頼らず家畜を飼養できる「放牧」が、持続可能なスタイルとして注目されています。
4.どうやって始める?放牧を始める前に 注意すべき点は?
放牧を導入する前、転換する前に検討すべきポイントをまとめました。4-1.体験から始める
特に新規就農を目指す人は、酪農そのものを体験する必要があるので、研修やヘルパー制度などを利用して、体験することをお勧めします。すでに就農されている方は、「グラスファーミングスクール」など、
放牧の基礎的な知識から現場視察までを一貫して取得できるセミナーへの参加がオススメです。 実際に放牧を実践している方だけでなく、
これから始めようか悩んでいる方など、幅広く参加されるので、スクールを通じて横のつながりが増える方も多いようです。
4-2.自身の牧場を知る
機械や施設、草地面積などの把握を通じて、ご自身の牧場の現在を分析します。土壌診断や飼料設計を行っていない場合は、この時に把握することをオススメします。
放牧成功のためには、緻密な数値の把握と管理が必要です。
これらは、放牧導入後も経営していくうえで、非常に重要になります。
4-3.放牧デザインを行う
現状把握が終わったら、航空写真や図面などの資料を基に、「放牧デザイン」を行います。
放牧デザインでは、牧区の区切り方や牧道やゲートの位置など、具体的な放牧地の設計を行います。
放牧に転換することを検討している方は、現状の頭数や経営計画とも照らし合わせながらデザインすることが重要です。
4-4.経営計画とベンチマークの策定
投資回収の目途をつけ、専門家を交え、計画を策定します。
ファームエイジでは、放牧導入後の放牧コンサルティングサービスを実施しています。
費用や期間、アドバイスする内容に応じて受け付けてることができますので、まずはお気軽にご相談ください(有料サービスです)。
5.(無料)放牧で成功するために 参考資料
5-1.高原牧場物語
NZ北海道酪農協力プロジェクトを経て、見事に経営を改善し、農林水産大臣賞を受賞するにまで至った放牧酪農サクセスストーリー。高原様の実体験や声を取材し、どのような改善や取り組みを行い、どのように経営改善されたかを数値に至るまでまとめた一冊です。
詳細はこちら>>>高原牧場物語
5-2.放牧デザインカタログ
放牧のメリットを最大限に引き出すために、最も基本となる部分を要約した一冊です。放牧地の柵だけでなく、草地改良から牛群改良、牧道やゲートの配置に至るまで、これから放牧に取り組む方はもちろん、既に取り組んでいただいてる方にも、ご自身の牧場を見直す気づきのきっかけになるかと思います。
詳細はこちら>>>放牧デザインカタログ
5-3.NZ北海道酪農協力プロジェクト ウェブセミナー(録画・記事)
ニュージーランド政府、フォンテラ社、ファームエイジ株式会社による取組で、北海道とホクレンが協力しています。
放牧における牧草地の利用効率と酪農経営の採算性向上を目的として、平成26 年8月から2年間のプロジェクトとして開始した後、道内4地域の調査対象農家の追跡調査を行うため、プロジェクトを平成30 年3月まで延長しました。
その後2戸の調査対象農家を対象としたフォローアップ調査・実証、オンラインセミナーの開催など放牧普及を実践する取組です。
詳細はこちら>>>NZ北海道酪農協力プロジェクト
6.まとめ
記事を読んでもよくわからなかった点や、迷っていることがありましたら、まずは一度、お気軽にお電話ください。
無料でお見積もできますので、お客様の農場にあった無理のない、最適なアドバイスをさせていただきます。
(TEL:0120-82-4390)
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