キャンプ場の熊(クマ)対策は必要?海外では電気柵を張るケースも

このところキャンプ場が大ブームですね。
スタッフの中でもキャンプデビューしたり、今度はあそこのキャンプ場に行くんだ~といった声も聞きます(うらやましい)
ですが、自然を侮るなかれ。時に思いもせぬ「出会い」があるかもしれません。事前の下調べや、持ち物や準備はしっかり行いましょう。


この記事では基礎的な情報と、テント周りに電気柵を設置するなど、海外での事例についても触れていきます。


1.クマの生態について

日本には大きく分けて2種類の熊が生息します。
本州以南に生息するツキノワグマと、北海道に生息するヒグマです。
ヒグマのほうがより大型といわれ、大きい個体では体長が2m近くになる場合があります。
体が大きいため、動きが遅いと思われがちですが実際は俊敏で、最大で時速50km以上で走るため、人間の足で逃げ切ることは不可能といわれています。


・増えるクマと人との軋轢

古来からクマは恐れられる存在ではありましたが、近年、人間との軋轢の増加が指摘されています。
もともとクマには人間や家畜などを襲う習性はないといわれていますが、最近では従来のセオリーが通じない個体がしばしば見受けられます。


・農作物被害

畑など作物を荒らすのが「農作物被害」です。
飼料用トウモロコシからスイカ、メロンなど被害を受ける作物の幅は広いです。
被害金額はヒグマだけでも2億円を超えており、ホルスタインなど家畜を襲うケースもあるため、強く問題視されています。
さらに、執着心が強いため、一度出没した場所に繰り返し被害を与えてしまいます。

・人身被害

 車や電車などとの衝突事故が発生すると、物流に大きな乱れが生じます。都市部でも発見されるケースも増えてきています。



2.クマにであわないために。キャンプ場に行く前に!事前に確認すべきポイント

・熊鈴や撃退スプレーなどの対策品は持っているか

 万一の備えをもっていきましょう。
 熊鈴はかばんや身に着けることで音が鳴ります。
音を出すことで「人間がここにいる」ことを動物側にアピールすることができます。
熊撃退スプレーは吹き付けることで、身を守る効果があります。
ただ風向きを配慮すること、物理的な効果はないことなど、いくつか使用するうえでの注意点があります。


・クマの生息域に近い環境ではないか

山間地にあるキャンプ場は特に配慮が必要です。
周囲での目撃情報も参考になるでしょう。

・ゴミや食料はそのままにしていないか

キャンプをしている最中の注意点になりますが、食料をそのままにしてしまうと餌でおびき寄せるようなものですので、絶対にやめましょう。
周囲の方への迷惑にもなってしまいますので、キャンプ場のゴミ出しのルールに従って処理しましょう。


3.【対策事例】キャンプ場の周囲やテント周りに対策をする場合も

キャンプブームも相まって、キャンプ場の野生動物対策のご相談を受けるケースが増えてきました。
「利用者さんに安全に宿泊してもらいたい」「キャンプ場の周りに、野生動物が侵入防止フェンスを設置できないか」など、
さまざまなお声を聴いています。
ここでは、キャンプ場のみならず、クマの侵入防止策の事例をご紹介します。


・電気柵 対象:ツキノワグマ

デントコーン畑に設置された電気柵です。
基本的にヒグマ対策の電気柵は、ワイヤーを3段 設置しますが、ここはさらにもう一段、動物側に低く設置しています。
これをトリップ柵と言います。
こうすることで、より下からの侵入を防止することができます。 よく「上からジャンプするのではないか」といわれることがありますが、野生動物はまず下からなんとか侵入できないかを探ります。
特に、ヒグマは地面を掘るのも得意ですので、トリップ柵は効果的です。

(参考:
クマ用電気柵セット 周囲200m/出入り口一か所※こちらのセットはトリップ仕様ではありません


・電気柵×フェンス(金網)対象:ヒグマ×シカ

北海道内のガーデンに設置されたフェンスです。
多くの来園者さんが来られるので、安心して利用してもらえるよう、厳重な仕様にしつつ、景観を損なわないよう木柱を使用するなど、デザイン面も配慮しています。
フェンスの高さは2mあり、下30cmはL字に折れ曲がっています。
そうすることで、地面を掘り返して侵入する隙間をなくしています。さらに、フェンスの上部には電気柵を設置し、フェンスをよじ登れないようにしています。


・海外ではテント周りに電気柵を設置するケースも

ソロキャンプなどもブームになっていますが、海外では自分の張ったテントの周りに電気柵を設置するケースもあるそうです。
短い距離なので設置回収も簡単ですし、安心ですね。


4.まとめ

いかがだったでしょうか。
クマを恐れすぎる必要はありませんが、大切なのは「適切な距離を保てているか」が重要です。
自然は自分たち人間のものだけでなく、多くの生き物が暮らす環境と考え、そこに入るときには準備や配慮が必要になります。
是非参考にしていただければと思います。



私たちファームエイジとしても、引き続き「野生動物との共存」が図れるフェンスの提案を続けていきます。
設計やお見積りのご相談にも乗れますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
TEL:0120-82-4390


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