人手不足・コスト増…厳しい酪農経営を打破する?! ニュージーランド哺育技術とは
本記事では、 日本の哺育現場が抱える課題と、ニュージーランドの哺育技術から学べるポイントを比較 しながら、 より効率的な哺育方法や経営改善のヒント をご紹介します。
ここ数年は離農(りのう)する農家さんの数は増え続けており、それに対し新規就農する若手はごくわずかです。
令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、
以前より厳しさを増していることが伺えます。
(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)
特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、コロナ前と比較すると、金額は倍近くになっているそうです。(※弊社スタッフ聞き取り)
これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。
さらに、こうした要因によって離農がすすみ、地域の市場がさらに縮小される悪循環が起きることが懸念されています。
(出典:畜産王国を襲う子牛市場の異変 日本一目指す内田畜産の「危機感」 – Think都城)
これにより、少人数でも多くの子牛を集中的に管理することができます。また、ニュージーランドでは、放牧が主体です。
分娩時期を春先に調整することで、放牧草の成長と子牛の成長のピークをあわせることができ、牧草を最大限に活用した放牧ができます。
NZで牛舎管理は時間や労力がかかり、「経済的でない」という考え方のため、牛舎がない農家もあるそうです。
ピーチティートがたくさんついたタンクのようなタイプで、一気にミルクを与えます。日本とは異なり、NZでは冷たいミルクをそのまま与えるそうです。
ファイバースタートというアルファルファを主体とした高栄養発酵繊維飼料です。
国内でも既に多くのユーザーがおり、厚くて硬いルーメンマットができることで、強い反芻がおき、下痢が起きにくい胃が作られます。
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目視や経験によって判断することもできますが、どうしても人によってバラツキが出たり、感覚に頼らなければいけない部分が増えます。
こうした部分を、数値ではっきりと管理し、成長に課題がある個体には追加の対策や管理方法の変更などが取られます。
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弊社が協力しているプロジェクトにて、NZの酪農家から子牛育成のノウハウを共有するオンラインセミナーを開催いたしました。
当日お話しいただいたNZ酪農家のダンカンさんは、500頭規模の牧場で、130頭の子牛がおりますが、従業員数はたったの3名です。
さらに、死亡する個体はほとんどおりません。なぜ、このような最低限の人数でも最大限の収益を上げる経営を実現できているのかについて、お話しいただきました。
詳しくは >>> こちら
酪農・哺育現場においても同様で、哺育技術の質が農場経営に大きく影響します。
ファームエイジは、放牧にルーツを持つ独自の哺育技術を商品化し、短時間で安定的に再現可能な技術として提供してきました。
参加者が7名と少な目だったこともあり、終始ラフに質問をいただけるようなアットホームな雰囲気で終えることができました。
中でもNZの哺育事情について、興味を持たれた方が多かったのが印象的でした。
当日は、10名ほどの地元の獣医さんたちにお集まりいただきました。
NZ生まれの画期的なアイテムについても触れ、皆さま熱心に考慮していただきました。
関係機関を含めて当日は40名ほどの方にお集まりいただきました。
参加いただいた方からは、「今までに聞いたことがないような情報が多く、とても新鮮な話でもあり、とても勉強になった。面白かった。経営の中でまだまだ改善できることはあるんだなぁと感じた。」 という嬉しいコメントをいただけました。
目次
1.日本における哺育の課題と現状
ここでは主なものをご紹介します。・人手不足
酪農・畜産業界においても人手が不足しています。
令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、
以前より厳しさを増していることが伺えます。
(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)
・飼料や代用乳などのコスト上昇
世界情勢や円安などの影響で、さまざまなコストが上昇しています。特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、コロナ前と比較すると、金額は倍近くになっているそうです。(※弊社スタッフ聞き取り)
これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。
・市場価格の低迷
前述した通り、コスト上昇の影響や国内需要の低迷により、繁殖農家の経営をひっ迫しています。さらに、こうした要因によって離農がすすみ、地域の市場がさらに縮小される悪循環が起きることが懸念されています。
(出典:畜産王国を襲う子牛市場の異変 日本一目指す内田畜産の「危機感」 – Think都城)
・専門知識や技術の継承
マニュアル化されている情報も多くありますが、やはりどうしても人の手を掛けて行う作業が多いため、熟練のスタッフと新人スタッフの技術差は生じやすいでしょう。2.ニュージーランドの哺育技術
ニュージーランド(以下NZ)の哺育技術が優れている点は多くあり、日本とは大きく異なっているため、驚かれる方も少なくありません。ここでは主なポイントをご紹介します。
2-1.季節分娩(季節繁殖)
日本では年間を通じて子牛が生まれますが、NZでは春先に子牛が生まれます。これにより、少人数でも多くの子牛を集中的に管理することができます。また、ニュージーランドでは、放牧が主体です。
分娩時期を春先に調整することで、放牧草の成長と子牛の成長のピークをあわせることができ、牧草を最大限に活用した放牧ができます。
2-2.放牧地で子牛を産み、育てる
これには理由があり、分娩房ではなく分娩牧区で管理をするほうが「経済的」という考え方です。NZで牛舎管理は時間や労力がかかり、「経済的でない」という考え方のため、牛舎がない農家もあるそうです。
2-3.冷たいミルクをそのまま与える
ミルクも放牧地で給与されます。ピーチティートがたくさんついたタンクのようなタイプで、一気にミルクを与えます。日本とは異なり、NZでは冷たいミルクをそのまま与えるそうです。
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2-4.放牧に適した胃づくりに力を入れている
放牧が主体のNZでは、牧草をしっかりと食べて、栄養を吸収できる牛であることが大切です。そのため子牛の頃から胃づくりには力を入れています。ファイバースタートというアルファルファを主体とした高栄養発酵繊維飼料です。
国内でも既に多くのユーザーがおり、厚くて硬いルーメンマットができることで、強い反芻がおき、下痢が起きにくい胃が作られます。
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2-5.体重測定による数値に基づいた管理を行っている
これは子牛のみに限らず、成長をモニタリングする過程で取り入れられています。目視や経験によって判断することもできますが、どうしても人によってバラツキが出たり、感覚に頼らなければいけない部分が増えます。
こうした部分を、数値ではっきりと管理し、成長に課題がある個体には追加の対策や管理方法の変更などが取られます。
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その他製品は >>>こちら
3.NZの具体例 ダンカンさん(ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト オンラインセミナーより)

当日お話しいただいたNZ酪農家のダンカンさんは、500頭規模の牧場で、130頭の子牛がおりますが、従業員数はたったの3名です。
さらに、死亡する個体はほとんどおりません。なぜ、このような最低限の人数でも最大限の収益を上げる経営を実現できているのかについて、お話しいただきました。
詳しくは >>> こちら
4.哺育の技術を高める 出前セミナーを開催しました
高い技術の習得には時間がかかり、再現が難しい場合があります。酪農・哺育現場においても同様で、哺育技術の質が農場経営に大きく影響します。
ファームエイジは、放牧にルーツを持つ独自の哺育技術を商品化し、短時間で安定的に再現可能な技術として提供してきました。
事例1:北海道東部エリア/酪農女性部会向け
2時間程度の座学で行いました。
中でもNZの哺育事情について、興味を持たれた方が多かったのが印象的でした。
事例2:北海道東部エリア/獣医向け

NZ生まれの画期的なアイテムについても触れ、皆さま熱心に考慮していただきました。
事例3:九州エリア/和牛繁殖農家向け

参加いただいた方からは、「今までに聞いたことがないような情報が多く、とても新鮮な話でもあり、とても勉強になった。面白かった。経営の中でまだまだ改善できることはあるんだなぁと感じた。」 という嬉しいコメントをいただけました。
5.まとめ
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