収益のピークは春に創る!「早期放牧」で無理なく実現する高収益経営

「放牧に最適な季節は?」と聞かれたとき、どの季節が思い浮かびますか?
実は、放牧の「開始時期」によって、生産性が大きく異なります。
中でも、冬が終わってから早い段階から牛を外に出す「早期放牧」は、初めての方でも取り組みやすく、草地の生産性を高めるうえでも有効な戦略です。

本記事では、早期放牧のメリットや、基礎的な情報、把握しておくべきポイントをご紹介します。


1. 早期放牧とは?:「牧草のピーク」を逃がさない技術

1-1.早期放牧とは

雪解け後、牧草の成長が本格化する一歩手前の段階から放牧を開始する管理手法です。

北海道などの積雪地では、地面が乾き始め、草丈が数センチ(目安として10cm程度)になってからがスタートの目安となります。

1-2.なぜ早期放牧が注目されるのか

春先の牧草の急激な成長を「スプリングフラッシュ」と呼びます。

この時期を過ぎると、牧草はすぐに硬くなり、栄養価が落ちてしまいます。
従来の「草がたっぷり伸びてから」ではなく、「草の栄養価が高い時期」と「放牧のタイミング」を合わせることで、放牧の生産性を最大限にすることができます。


2. 早期放牧がもたらす5つの経営的メリット

早期放牧は、単に「早く外に出す作業」ではなく、放牧の生産性を高める戦略のひとつです。

2-1.乳牛のストレス軽減と健康増進

冬季間、牛舎の中で凝り固まった牛たちの体を外で運動させることで、早期のストレス解消につながります。
適度な運動は蹄(ひづめ)の健康や、乾物摂取量の向上にもつながります。


2-2.購入飼料コスト削減

春先の成長がピークに達する牧草は、タンパク質含有量が高く、非常に消化が良い「天然の濃厚飼料」といえます。

早い段階から摂取させることで、購入飼料低減などコスト削減にもつながります。

2-3.牧草管理の効率化(スプリングフラッシュの抑制)

放牧や採草開始が遅れると、草が余ってしまいます。

伸びきった牧草は繊維質が固くなり、栄養価も低下します。早期から家畜の採食圧をかけることで、牧草の生育を抑え、草地全体の品質保持につながります。

2-4.循環型農業・環境への貢献

牛が自ら草を食べ、その場で排泄する。

このサイクルを早期から確立することで、ふん尿処理の労働負荷を軽減し、土壌の有機物循環を促進します。「環境に優しい農業」は、現代の消費者や市場からも強く求められている価値です。


3. 失敗しないために。知っておくべき早期放牧のポイント

早期放牧にはいくつかの「ポイント」があることを覚えておきましょう。

3-1.段階的に放牧する

冬の餌から急激に牧草(青草)に切り替えると、牛のルーメン(第一胃)に影響が出ることがあります。

最初は短い時間から放牧を、1週間から10日かけて徐々に放牧時間を延ばす「馴致(慣らし)」が大切です。また、突然の豪雨をさえぎるシェルターや林など、牛が退避できる環境作りができると理想です。


3-2.泥濘(でいねい)化に注意する

特に北海道などの積雪地帯では、春先の牧草地は水分を多く含み、非常にぬかるみやすい状態です。

そのため、ある程度草地が乾いた状態であることが必要です。放牧が早すぎると、牛の踏みつけで「泥濘化(でいねいか)」を引き起こし、乳房炎や蹄病、草地の裸地化の原因になります。


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3-3.補助飼料を準備しておく

春先の牧草はエネルギーが非常に高い一方で、その年の天候などによっては生育が不安定になる場合があります。

牛の採食行動を観察し、エネルギー不足している場合は、良質なラップサイレージなどを補助的に給与するなど、補助的に飼料を用意しておくとよいでしょう。


3-4.水飲み場を用意する

見落とされがちな点ですが、「外に出れば草の水分で十分」と考えるのは禁物です。
放牧地でも、常に新鮮で清潔な水が飲める水槽(トロフ)があることは、採食量だけでなく乳量生産にも関係してきます。


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4. 牧場運営視点で考える早期放牧計画

以下のアイテムを活用することで早期放牧のメリットを最大化が期待できます。


4-1.電気柵を使った集約放牧(牧区設計と管理サイクルの構築)

電気柵を活用することで、放牧地を細かく区切って、ローテーションさせる「集約放牧」ができます。

これにより、牛の頭数や草地面積に応じて、早期放牧をフレキシブルに調整することができます。
また、「放牧する期間」と「休ませる期間」を明確にできるなど、管理面でもメリットがたくさんあります。

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4-2.ライジングプレートメーターの活用(草地モニタリングと科学的判断)

「なんとなく」で放牧を始めず、草の量を「数値で把握」しましょう。

ライジングプレートメーターを使うことで、草地の乾物収量の推定値を算出することができます。これによって、この放牧地にはどれだけの草があり、何頭の牛をどれぐらいの期間放牧できるのかの目安を立てることができます。
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ライジングプレートメーター(デジタル式)

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4-3.放牧簡易シミュレーター

いくつかの条件を入れることで、どれぐらいの投資が必要なのか、何年ぐらいで償却できるのかが試算できます。
これから放牧導入を検討されている方や、営農計画を立てるうえでの検討資料になるでしょう。
また、専門スタッフが情報をもとにさらに詳細なアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。

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4-4.ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト

ニュージーランド政府、フォンテラ社、ファームエイジ株式会社による取組で、北海道とホクレンが協力しています。

放牧における牧草地の利用効率と酪農経営の採算性向上を目的として、平成26年 8月 から2年間のプロジェクトとして開始した後、道内4地域の調査対象農家の追跡調査を行うため、プロジェクトを 平成30年 3月 まで延長しました。
その後2戸の調査対象農家を対象としたフォローアップ調査・実証、オンラインセミナーの開催など放牧普及を実践する取組です。


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まとめ:早期放牧を成功させるポイント

早期放牧は、自然のサイクルに経営を合わせる「グラスファーミング」の第一歩です。

「牛」の観察と「草」のモニタリングを組み合わせ、段階的に導入することで、あなたの牧場はより強く、持続可能なものへと進化します。

今シーズンの準備は、雪解け前から始まっています。まずは適切なフェンス設計と、水管理の計画からスタートしましょう。


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