【放牧って本当に飼料代が下がるの?】よくあるご質問や事例のご紹介
円安や燃料代の高騰など、さまざまな影響をうけている日本の酪農・畜産。
農家さんの悩みは尽きませんが、その中でも「餌代の高騰」は経営に大きな影響を与えています。
様々な工夫や対策が行われていますが、「具体的にどんな取り組みがあるのか?」「本当にえさ代を削減できた事例があるのか?」知られていないことも多くあります。
ここでは、放牧酪農を中心に、飼料を取り巻く現状から取り組み事例まで、基礎的なポイントをご紹介します。
大きく分けて、粗飼料と濃厚飼料の2種類があります。
粗飼料は、 草や草から作られた餌で、生草、サイレージ、乾草などがあります。放牧を行う場合、「放牧草」や「青草」と呼ばれることもあります。
繊維質が豊富で消化に時間がかかり、牛の第1胃であるルーメンを鍛えて消化・吸収機能を向上させます。
濃厚飼料は、 トウモロコシ、ぬか類、大豆、大豆粕などを混ぜた混合飼料で、炭水化物やタンパク質含量が高く、栄養価も高いです。
穀物飼料とも呼ばれ、エネルギー補給のために重要です。
大きな要因としては、
・飼料を作るための原材料(トウモロコシなどの穀物)の高騰
・原油やガソリンなどの高騰
・国際情勢に伴う円安などの影響 ・・・などがあります。
また、日本は濃厚飼料の多くを海外からの輸入に頼っており、国内自給率が低いことが指摘されています。
そのため、濃厚飼料をたくさん使っている農家さんほど、外部環境に影響されやすい経営傾向にあるといえます。
そこで、もう一つの飼料である「粗飼料」がコスト削減のカギになります。
今、牧草など粗飼料を活用する手段として、「放牧」が注目されています。
放牧は、家畜を屋外に出して牧草を与えるスタイルです。
飼料削減だけでなく、家畜の健康増進にも繋がるので、診療代の削減や労働時間の削減など、多岐にわたるメリットが期待できます。
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但し、やり方のポイントを押さえていないと、飼料削減をはじめとするメリットを得られない場合があります。
主なポイントをご紹介します。
その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して、最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。
また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。
一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。
理想的な放牧草の高さは地上高15-20cmといわれています。
地上高が低すぎると、生長のために草がたくさん栄養を蓄えている時期ではあるのですが、牛が食べれる草量が少なくなります。
また、草の生長や再生が悪くなってしまいます。
地上高が高すぎると、牛が食べれる草量は多いのですが、草は種子をつくるために栄養を使うようになっていきます。
結果として、枯死している葉が多く、繊維質も強くなり、消化しにくい草になってしまいます。
「15-20cm」というは、栄養価が高い草を効率良く牛に与えられる高さといえます。
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乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。
ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。
その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。
水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。
放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。
(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)
牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。
また、そもそも牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。
人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。
これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。
参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介
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農家さんの悩みは尽きませんが、その中でも「餌代の高騰」は経営に大きな影響を与えています。
様々な工夫や対策が行われていますが、「具体的にどんな取り組みがあるのか?」「本当にえさ代を削減できた事例があるのか?」知られていないことも多くあります。
ここでは、放牧酪農を中心に、飼料を取り巻く現状から取り組み事例まで、基礎的なポイントをご紹介します。
目次
1.そもそも飼料とは?
牛や羊などの家畜が食べるための食べ物を意味します。大きく分けて、粗飼料と濃厚飼料の2種類があります。
粗飼料は、 草や草から作られた餌で、生草、サイレージ、乾草などがあります。放牧を行う場合、「放牧草」や「青草」と呼ばれることもあります。
繊維質が豊富で消化に時間がかかり、牛の第1胃であるルーメンを鍛えて消化・吸収機能を向上させます。
濃厚飼料は、 トウモロコシ、ぬか類、大豆、大豆粕などを混ぜた混合飼料で、炭水化物やタンパク質含量が高く、栄養価も高いです。
穀物飼料とも呼ばれ、エネルギー補給のために重要です。
2.飼料を取り巻く現状
前述の通り、飼料の価格は高騰しています。大きな要因としては、
・飼料を作るための原材料(トウモロコシなどの穀物)の高騰
・原油やガソリンなどの高騰
・国際情勢に伴う円安などの影響 ・・・などがあります。
また、日本は濃厚飼料の多くを海外からの輸入に頼っており、国内自給率が低いことが指摘されています。
そのため、濃厚飼料をたくさん使っている農家さんほど、外部環境に影響されやすい経営傾向にあるといえます。
3.濃厚飼料を減らす手段のひとつ「放牧」
高騰しているとはいえ、大量の濃厚飼料をいきなり日本だけですべて賄うのは、簡単ではありません。そこで、もう一つの飼料である「粗飼料」がコスト削減のカギになります。
今、牧草など粗飼料を活用する手段として、「放牧」が注目されています。
放牧は、家畜を屋外に出して牧草を与えるスタイルです。
飼料削減だけでなく、家畜の健康増進にも繋がるので、診療代の削減や労働時間の削減など、多岐にわたるメリットが期待できます。
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4.放牧にもやり方がある? 押さえるべきポイント
飼料高騰の影響もあり、「放牧を取り入れてみたい」「放牧のやり方を教えてほしい」というご相談が増えています。但し、やり方のポイントを押さえていないと、飼料削減をはじめとするメリットを得られない場合があります。
主なポイントをご紹介します。
4-1.頭数と草地のバランス
たとえば、頭数に対して放牧地面積が広すぎると、草の食べ残しが起きてしまいます。その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して、最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。
また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。
一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。
4-2.草の品質
牛に食べさせる放牧草の「理想的な高さ」をご存じでしょうか?理想的な放牧草の高さは地上高15-20cmといわれています。
地上高が低すぎると、生長のために草がたくさん栄養を蓄えている時期ではあるのですが、牛が食べれる草量が少なくなります。
また、草の生長や再生が悪くなってしまいます。
地上高が高すぎると、牛が食べれる草量は多いのですが、草は種子をつくるために栄養を使うようになっていきます。
結果として、枯死している葉が多く、繊維質も強くなり、消化しにくい草になってしまいます。
「15-20cm」というは、栄養価が高い草を効率良く牛に与えられる高さといえます。
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4-3.配合飼料の量
乳生産において最も大きなコストが「飼料」といわれており、乳代(ミルクの売上金額)に対して飼料コストがどれだけかかったかを示す「乳飼比」という数値があります。乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。
ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。
その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。
4-4.水槽の数
私たち人間も、食事をする際には、水や飲み物と一緒に食事をとりますよね。水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。
放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。
(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)
牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。
また、そもそも牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。
人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。
これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。
参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介
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5.(まとめ)できるところから始めよう!飼料コスト削減の取組
いかがでしたでしょうか?
放牧を用いた飼料コスト削減の取り組みは、環境負荷の軽減と生産性向上の両方に貢献する素晴らしい方法です。
まずは、小さなステップから始めて、現在の農場の状況や資源を見直し、取り組めることから一歩ずつ始めることが大切です。
ファームエイジは、皆さんの農場での放牧導入や飼料コスト削減の取り組みをサポートします。ぜひ一緒に、より持続可能な農業経営を目指していきましょう。
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