【クマ 対策】被害を防ぐ方法は?電気柵は効果がない?正しい知識と対策方法を知ろう

近年、クマが民家近くに出没したり、農業被害を与えたりと、クマに関するニュースが増えているように感じます。なぜ、クマと人間の軋轢は減らないのでしょうか?
ここでは、
・クマ(熊)被害に関する基礎知識
・見直すべき対策のポイント
・対策実践事例
についてご紹介します。

1.指定管理鳥獣に加わったクマ

クマによる人身被害は年々増え続け、2023年度では過去最高の200人を上回りました。
(出典:環境省|クマ類による人身被害について [速報値])

こうした状況を受け、2023年 クマが新たに「指定管理鳥獣」に加わりました。
指定管理鳥獣とは、環境や農作物、生態系に影響を及ぼす野生動物とみなされた鳥獣で、環境大臣が定めています。(現在はイノシシ、ニホンジカが対象)
クマが追加されたことで、新たにクマにおいても国が捕獲や調査の費用、人材育成などを支援することになりました。
(出典:環境省|指定管理鳥獣捕獲等事業)




2.なぜ?クマによる被害が増えている理由

なぜクマによる被害は減らないのでしょうか?主な理由をご紹介します。



2-1.餌資源などの不足

クマは本来、どんぐりなどの木の実を食べる雑食性といわれています。
こうした餌資源が不作・凶作に陥ってしまうと、餌を求めて人里に降りてしまい、人と遭遇するクマが増えています。



2-2.ゴミの不始末など人間側の問題

アウトドアやキャンプブームの影響により、今まで以上に人が屋外で過ごす時間が増加し、キャンプ場でのごみの不始末が多発しました。
そこに引き寄せられたクマがキャンパーと遭遇するといったケースもありました。


2-3.デントコーン畑の作付面積増加

主に酪農地帯などの一部地域では、デントコーンの作付面積の増加に伴い、クマによる被害も増加しています。
作付面積が増加した主な理由は、輸入穀物の高騰により、自給飼料の生産拡大に注目が集まったためです。

デントコーンは侵入されてしまうと、1日でも甚大な被害が出るだけでなく、成長すると茎が2m近くまで伸びます。
ヒグマが潜んでいてもほとんど見えないため、農家さんの人身被害も懸念されています。


・参考記事

キャンプ場の熊(クマ)対策は必要?海外では電気柵を張るケースも


3.電気柵はクマにきかない?!

クマ対策には、電気柵(でんきさく)が広く普及していますが、しばしば「クマには効果がない」といわれるケースがあります。主な原因をご紹介します。

3-1.仕様があっていない

電気柵を張っても侵入されてしまう場合は、柵の仕様が合っているかをまず確認しましょう。

・ワイヤーの段数:3段
・ワイヤーの間隔:地面から20cm、20cm、20~30cm
 ※ツキノワグマの場合、最上段は30cmに設定することをオススメしています。
・支柱間隔:4mに1本をめやすに設置


・参考記事

クマ(熊) | 電気柵、フィールドフェンス

あくまで標準的な仕様なので、地形や起伏など周囲の環境によっては不十分な場合があります。
その場合は段数の追加など、他の手段を検討する必要がありますので、詳しくはお問合せください。


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3-2.管理不足

電気柵の場合、定期的なバッテリー残量確認や下草管理が必要になります。
怠ってしまうと、電気柵の効果が徐々に失われ、突破されてしまう原因になります。
特に、クマの場合は一度侵入に成功し、作物の味を覚えてしまうと、執着心が強いため、何度も強引に侵入を試みます。
そうなると、より強力な電気柵が必要になるなど、手間と費用がさらにかさむ恐れがあります。


・参考記事

【効果がない電気柵になっていませんか?】「効かない」「うまくいかない」と思ったときに知っておくべき指標「ジュール(J)」




3-3.設置方法に問題がある

地面との隙間ができているなど、設置の仕方に問題があると侵入されてしまいます。
地面からの侵入をより効果的に防止する手段として、「トリップ柵」があります。
既設の電気柵から動物側に、高さ20cm程度の電気柵を1段設置します。そうすることで、クマからは二重に電気柵があるように見え、より防除効果が高い電気柵になります。



4.クマの侵入を防止する手段(電気柵、電気柵×金網フェンス)

4-1.簡易電気柵事例

こちらはデントコーン畑に設置された電気柵です。より防除効果を高めるために、3段張+1段のトリップ仕様にしています。



4-2.恒久電気柵事例

山のふもとにあるガーデン(観光施設)に設置された電気柵です。フェンシングワイヤーという針金のようなワイヤーを使った電気柵です。



4-3.電気柵×金網フェンス事例

養豚場に設置されたフェンスです。
防疫対策の観点から、クマだけでなく、シカ、アライグマなどの複数種類の動物に対応するため、フィールドフェンスと電気柵を併用しています。

シカの飛び越えに対応するためにフェンスの高さは2mあります。上部はクマのよじ登りを防止するために、電気柵を2段設置。
さらに、小動物も侵入できないよう網目が細かいフェンスを採用するなど、徹底的に侵入を防止するための重厚な仕様です。

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5.まとめ

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必ずしも、フェンスだけでは完璧な対策にはなりません。
キャンプに出掛けたらゴミは持ち帰るなど、「クマが寄り付く環境を作らない」ことからはじめる必要があります。

また、私たち人間がクマの生態を理解する必要もあります。例えば、クマが出没しやすい時間帯や季節には注意を払い、活動を控えたり、
山に入る場合はクマ鈴や熊スプレーなどの装備も持参しましょう。
さらに、自治体によっては、クマの出没方法が整理・公開されているところもあるので、事前に情報を得ておくことも重要です。

できるところから、クマ対策をはじめましょう!

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