【耕作放棄地 放牧】なぜ耕作放棄地で放牧が選ばれる?実践事例も含めてご紹介

耕作放棄地での放牧は、自然環境や社会にできる限り負荷を与えずに作られる農業生産という意味で、SDGsにも貢献できる取り組みといえます。
今回は主に肉牛での耕作放棄地放牧に焦点をあてて、ご説明していきます。
この記事では、
・耕作放棄地とは?
・なぜ耕作放棄地で放牧が取り組まれている?
・耕作放棄地放牧の具体例(お客様の声)
についてご紹介します。



1.耕作放棄地とは?

【耕作放棄地 放牧】なぜ耕作放棄地で放牧が選ばれる?実践事例も含めてご紹介
農林水産省が行っている農林業センサスによると、
「以前耕作地であった場所で、過去一年以上の作物の栽培がなく、この数年間に再び作物を栽培する意思のない土地」とあります。

よく似た言葉に、「遊休農地」や「荒廃農地」がありますが、意味はそれぞれ異なります。
耕作放棄地は年々増加傾向にあり、さまざまな点が問題視されています。

出典:「荒廃農地」と「耕作放棄地」って同じもの?・・・違うようです(農林水産省)


2.なぜ?耕作放棄地が問題なの?

耕作放棄地は年々増え続け、平成27年には42万ヘクタール以上とされています。
出典:荒廃農地の現状と対策(農林水産省) 主な問題点は以下の通りになります。


・雑草や害虫の発生しやすくなる
・シカ、イノシシ、サル、クマといった野生動物が発生しやすくなる
・景観が損なわれる
・不法投棄されやすい場所になってしまう



耕作放棄地が問題視される原因として、
発生要因が多岐にわたることも挙げられます。
主な点は以下の通りです。


・農家の高齢化や減少(離農)
・土地の引き取り手がいない
・条件が悪い(土地条件)




解決手段としては、農地中間管理機構(農地バンク)による整備や活用(貸し付けなど)や利用を促進するための交付金など、
さまざまな施策が講じられているものの、
今後も耕作放棄地は増加する見通しとされています。



3.耕作放棄地の解決手段として 放牧が注目

【耕作放棄地 放牧】なぜ耕作放棄地で放牧が選ばれる?実践事例も含めてご紹介
再び作物を栽培する土地にすることができますが、「家畜の放牧地」として活用される事例があります。
なぜ、わざわざ耕作放棄地で放牧するのでしょうか?
選ばれる理由(メリット)がいくつかあります。


3-1.家畜の健康増進

牛舎の中だと、日々の給餌、糞尿の処理が必要になりますが、放牧している間は必要ありません。
牛自身が自由に歩いて草を食べるので、ストレスが少なく、健康的になります。
また、従業員の労働時間削減にもつながり、結果的に人間にとってもメリットが大きいです。



3-2.費用・手間の削減

一度荒れた土地を人の手や重機で整備するのは、手間や費用が掛かります。
家畜を放牧することで、少しずつ雑草を食べながら開拓してくれます。同時に、餌やりの手間や購入飼料費の削減に繋がります。
但し、家畜によっては与えると有害な草もありますので、事前に現地の状況を把握しておいたほうが良いでしょう。



3-3.獣害対策になる


イノシシや鹿などの野生動物にとって、雑草が多く茂る環境は、身を隠すのにうってつけの場所になります。

家畜が雑草を食べてくれることで景観が改善され、周辺での獣害が減少した事例もあります。
獣害が減るということは、農家さんにとっては本来得られる所得を確保できることになるので、地域全体への貢献も期待できるでしょう。



4.耕作放棄地での放牧を始める前に 注意すべき点

耕作放棄地は中山間地が多く、起伏や圃場の形が複雑なことから、簡単に設置、移設ができる「電気柵」が広く利用されています。
ここでは、電気柵を用いて放牧を行う上で注意すべき点をいくつかご紹介します。



4-1.事前に家畜を馴致しましょう

電気柵(でんきさく)とは、動物に慣れることのない痛み(電気ショック)を経験させて、
動物の心理的バリヤー(警戒心)により柵に近寄り難くさせる柵のことです。



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4-2.飲水施設の設置

家畜が水を飲むための場所です。
肉牛の成牛は暑く時期になると、1頭あたり1日50リットルくらいは飲みます。
好きな時に好きなだけ水を飲めない環境だと牛の採食量低下に影響してきます。
最近は猛暑になる日数も増えているため、夏はさらに飲水量が増える可能性が高い日もあるでしょう。

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4-3.日陰になる場所をつくる

前項でも挙げたとおり、猛暑の炎天下の中、日陰がない状態は家畜にとってもストレスになってしまいます。
木陰がある環境であれば良いですが、ない場合は、簡易的なものでも良いので準備しましょう。

参考記事

・【牛 暑さ 対策】知らないと損! この夏 実践すべき暑熱対策 


4-4.泥濘化対策

大雨が降った後や、水槽の周りは水がこぼれたりして、ぬかるんでしまうことが多いです。
そのままにしてしまうと、蹄病発症とケガの悪化につながってしまうばかりか、草地が裸地化してしまいます。

参考記事

・【牧場のぬかるみ対策】牧道の施工方法・費用は?骨材は?基礎知識を知ろう 


5.お客様の事例

弊社のお客様から、耕作放棄地で放牧に取り組むメリットや、感想を伺うことができました。



5-1.長崎県/和牛繁殖農家

繁殖頭数44頭を飼養されています。
もともと運動のために、狭い面積でパドック放牧を行っていたそうですが、過疎化が進む地域の耕作放棄地を利用して、放牧地を拡大してこられたそうです。
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耕作放棄地で放牧することで、多くのメリットを感じられているそうです。
・粗飼料の多くを放牧でまかなえる
・削蹄にかかる手間とコストの削減
・牛舎掃除の手間削減
・景観が良くなったと周囲の農家さんから好評




同時に、注意している点についても教えてくださいました。
【耕作放棄地 放牧】なぜ耕作放棄地で放牧が選ばれる?実践事例も含めてご紹介
・棚田の石垣に牛が近づかないよう電気柵を設置している。
 石垣が崩れてしまうと大雨の時などの土砂崩れの原因になる。
・脱柵しないよう柔軟性のあるポールを使う。
 万一、支柱が折れて一頭が脱柵すると他の牛も続けて脱走する原因になってしまう。
・フェンスアラート(電圧降下警告灯)を所々に設置することで、
 電圧が下がってしまっていることに早く気付くことができる。




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5-2.鹿児島県/和牛一貫生産農家

耕作放棄地に黒毛和牛の放牧をされています。
雨の日や雨上がりの後は、地面がグチャグチャになりやすく、軽トラックで放牧地の様子を見に行くときに、車がスタックしてしまうことも時々あったそうです。
何か良い対策はないかと考えてたところ、弊社「牧道マット」をご購入いただきました。

【耕作放棄地 放牧】なぜ耕作放棄地で放牧が選ばれる?実践事例も含めてご紹介
昨年末にご自身で「牧道マット」を設置されてからは、作業性が良くなったと、お喜びのコメントをいただきました。
お客様から、現地の状況を伺いました。

・骨材は砕石を利用。車の乗り入れ場所を整備
・砕石が牧道マットのマス目の中にしっかり納まっており、同じ場所に何度も車を止めても、グチャグチャにならないし、わだちもできない。
・大雨の日でも、台風の時でもスタックすることなく、安全に作業ができるようになった。



今年の春にも追加で別の場所に設置しており、今後も追加して作業性の良い環境整備をしていこうと考えてくださっています。

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6.まとめ

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いかがでしたでしょうか?
同じ耕作放棄地放牧といっても、地域や環境によって取り組み方はさまざまです。
「興味はあるがよくわからない」「実際に現地を見に来てほしい」など、ご要望がありましたら、お気軽にご相談ください。

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